2023年版スポーツテックカオスマップをリリース
投稿日:2023年1月24日
■カオスマップおよび調査レポートの概要
国内外スポーツテック領域の200サービスを、全15カテゴリに分類しています。資金調達の動き、独自性、ユーザー数の多さなどを基準に独自目線で選出しています。調査レポートには各サービスの特徴、価格、会社概要、資金調達動向の説明に加え、視覚的にサービスがわかる動画のリンクや画像を添付しております。
主に同領域で新規事業立ち上げを検討している方やスポーツ・フィットネス業界の方が、戦略立案およびポジショニングの確認のために短時間で多くのスポーツテックサービスを効率よく情報収集できるように設計しています。
■スポーツテック領域の注目動向
1.運動×インセンティブの新興勢力「Move to Earn」
運動をすると、仮想通貨がもらえるタイプのサービスと、そのほかの特典(リワード)が受けられるサービスが存在しますが、前者はいわゆる「Move to Earn」と呼ばれるサービスで、2022年の前半に一世を風靡しました。現在は、歩くことによって仮想通貨が得られるタイプが主流です。
しかし、アクティブユーザー数や仮想通貨相場に依存するモデルであるため、一度人気に陰りが出ると、一気にモデルが崩れてしまう脆弱性が浮き彫りになったのも事実です。要するに、ユーザーとしては同じ運動量でもリターンが減ってしまう現象が起きています。
2.コネクティッドフィットネスの光と影
コロナの収束、競合の増加などで先行者であるPelotonの失速が鮮明ではあります。Amazonでの販路を追加したり、CEOが交代したり、試行錯誤が続いている状況です。Pelotonを含め競合各社もハードウェアの価格を変更したり、新しいハードウェアを追加したり、人員整理などに動いています。
一方で新興企業は積極的に資金調達をしています。例えば、ピラティスのリフォーマーがコネクティッドフィットネスとして製品化した新しいタイプのデバイスも登場しています。
3.メタバースを活用したファンエンゲージメントサービスの台頭
仮想空間上のスタジアムや街を訪れながら、展示物やゲームを楽しんだりするサービスです。国内外問わず、2022年は特に多くのサービスが立ち上がりました。チーム単独、リーグ全体など形態は様々です。
現在はまだ仮想空間内の画質が低かったり、収益性に欠ける部分が否めないですが、今後はそうした課題も乗り越えて新しいスポーツの楽しみ方と稼ぎ方が生まれてくると予想しています。
4.観戦・放送サービスのアップデート
スタジアムやアリーナの観戦にMRやARが多用され、新しい観戦体験が多く生まれました。また、ストリーミングサービスについては2022年にAbemaがワールドカップを64試合全試合無料放送するなど、テレビ以外での試聴の存在感が大きく増しました。そうした背景もあり、世界の大手ストリーミングサービスによるスポーツ放映権の長期大型契約の締結が2022年は活発に起こりました。
配信補助については、今回調べたスポーツテックの中で最も資金調達が活発で、日本円にして100億円以上の調達が複数見られました。AIによる試合の自動撮影、配信、ハイライト映像の生成など、他業界でも汎用性が高い技術が急成長しています。
5.コレクションビジネスのプレイヤー増加と取引額急減
2022年は特に、日本の大手企業が絡むかたちでNFT×コレクションのサービスが各スポーツリーグで勃興しました(MIXI、メルカリ、楽天など)。しかし、NFTコレクションそのものの取引量は海外でも急減しているところで、早くも身売りや人員整理に動いている企業もあります。
一方、海外ではトレーディングカードを担保にした金融事業も行われ、コレクション以上に資産としての位置づけが目立ちます。そうした背景もあり、大型の資金調達や買収がNFT関連サービスよりも活発でした。
■カオスマップおよび調査レポート執筆の背景
今回でスポーツテックカオスマップの制作は4回目になります。一部、NTTデータ経営研究所様にもご協力いただきました。このカオスマップによって、日本国内のスポーツ・フィットネス業界の方々に価値のある情報を届けたいと思い、制作しています。
しかし一方で、カオスマップ単体では業界のサービスを俯瞰することはできても、各サービスについて詳しく知るためには自力で調べる必要があるため、カオスマップに掲載しているサービスをレポートで1つずつ丁寧に解説しております。下記noteよりご覧いただけます。
スポーツテックカオスマップ2023.ver 全200サービス解説付き
https://note.com/befree_720/n/nba3bc312d8ee
PDF版のレポートをご希望の方はこちら
https://checkout.square.site/buy/ZMLCDRIB2PPYFZNOGCCVEYIW
※ロゴ・サービス名称の掲載について
当マップ記載のロゴ・サービス名称の表記につきましては、掲載させていただいた各社様に事前許諾を得ていないものもございます。使用上問題がある場合は、お手数ですが「aesta_info@aesta.co.jp」までご連絡ください。
■NTTデータ経営研究所のスポーツビジネスコンサルティングについて
NTTデータ経営研究所では、スポーツビジネス参入戦略の策定、スポーツビジネスの中長期成長戦略策定、ビジネスモデル変革、スポーツテック活用・オープンイノベーションによる課題解決、スポーツ街づくり、スポーツ観光戦略など、スポーツ領域と他領域の掛け合わせを行うようなハイブリッド型のスポーツビジネスコンサルティングを提供しています。2017年に日本で最初のSports-Tech俯瞰図のSports-Tech Landscapeを公表。2018年には産官学連携でスポーツテック事業を創発するコンソーシアム「Sports- Tech & Business Lab」を設立。スポーツテックの事業開発・社会実装に取り組んでます。
https://www.nttdata-strategy.com/services/business/sports_business_consulting.html