2022年版スポーツテックカオスマップをリリース
投稿日:2022年1月25日
カオスマップおよび調査レポートの概要
国内外スポーツテック領域の200サービスを、全17カテゴリに分類しています。資金調達の動き、独自性、ユーザー数の多さなどを基準に独自目線で選出し、前作であるスポーツテックカオスマップ2021.verから大幅にバージョンアップしました。新たなカテゴリを追加したことに加え、掲載サービスも半数近く変更しております。
スポーツテック領域の注目動向
1.コネクティッドフィットネスの多様化、競争激化
同領域の先駆者であるPeloton社の勢いには陰りが見えますが、新興のコネクティッドフィットネス企業は大型の資金調達を実施しています。マシンの種類は増加傾向にあり、小型化路線に走る企業もあれば、逆に本格的な大型マシンを手掛ける企業も出現しました。さらに、アメリカ以外にオーストラリア、中国、カナダにも新興企業が現れており、各大陸でいかにマーケットを早く抑えるかという勝負になりそうです。
2.XR/メタバースとフィットネスの新たな可能性
VR(仮想現実)やAR(拡張現実)、MR(複合現実)といった技術を組み合わせて、新たなフィットネス体験を創出しようという企業が増加しています。ゲームを進めているうちに運動もできているという、エンタメ・ゲーミフィケーション要素を取り込んだ注目領域です。旧facebookがMetaに社名を変更し、VRフィットネスを手掛けるWithinを買収したのも記憶に新しいです。XRデバイスの進化次第では、一気に普及する可能性も秘めています。
3.スポーツ×NFT/トレーディングカードが新たな投資の選択肢に
アメリカでは熱心なコレクターが特定のスポーツ選手のNFTやトレーディングカードに投資をする動きが活発になっています。代替資産として注目されていますが、投機的な要素を含むのは否めない状況です。これらを取り扱うマーケットプレイスを運営する企業が、大型の資金調達をする動きが目立ちました。ロサンゼルスエンジェルスに所属する大谷翔平選手のコレクションは人気を博し、100万円以上の値段で取引されているものもあります。
4.スポーツベッティング/ファンタシースポーツが活況
ファンタシースポーツを含むスポーツベッティングが海外を中心に活況で、年間のグローバルな市場成長率は平均10%と推定されています。設立後まもなく巨額の資金調達を実施する企業もありました。プロスポーツの新たな収益源になり、参加者も熱心にスポーツを観戦するようになる一方で、ギャンブルの要素も強いため日本では合法化されていません。ただ、法に触れないようにファンタシースポーツを提供している企業は日本にもあります。法改正の動きに注目です。
5.リワードによる運動へのインセンティブの創出
運動を習慣化することによって、ポイントや特典などがもらえるサービスが、ウェアラブルデバイスの出現などを背景に増加しています。スキームは各社によって様々で、従来からある生命保険や投資に使えるポイント以外に、クレジットカードと連携するスキームも出現しました。運動を自分の意志で習慣化するのはハードルが高いと感じる人もいるなかで、新たなアプローチでその課題を解決する興味深いソリューションです。
カオスマップおよび調査レポート執筆の背景
今回でスポーツテックカオスマップの制作は3回目になります。毎年これを弊社が作成することを使命と感じ、取り組んでおります。一部、NTTデータ経営研究所様にもご協力いただきました。このカオスマップによって、日本国内のスポーツ・フィットネス業界の方々に価値のある情報を届けられると確信しました。しかし一方で、カオスマップ単体では業界のサービスを俯瞰することはできても、「各サービスについて詳しく知るためには自力で調べる必要がある」という課題に気付きました。そこで、カオスマップに掲載しているサービスをレポートで1つずつ丁寧に解説することで、より付加価値の高いコンテンツを提供できるのではないかと考えました。
【note】スポーツテックカオスマップ2022.ver 全200サービス解説付き
https://note.com/befree_720/n/n26f7df25267b
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