CASE STUDY

株式会社dendrite 小池 悠也様 / 健康経営コンサルティング(健康運動指導士・慶應義塾大学大学院 健康マネジメント研究科修了)

統計分析にかかる6時間が、10分になった

顧客導入 時間を創る 業務自動化
Claude CodeでSurvey Analyzerに出力させた画面

この事例の要点

統計ソフトRで6時間かけていたアンケート分析を、Claude Code上に構築した分析スキルで10分に。データのクレンジングから記述統計、グラフ生成、レポート出力までを自然言語の指示だけで回せるようにしました。

  • 統計分析レポート作成の所要時間10導入前約6時間

状況

小池様は、健康経営やメディカルフィットネスの領域で、企業や施設へのコンサルティングを行っています。その仕事の中心にあるのが、アンケート調査と体力測定のデータ分析です。

満足度、体力スコア、運動習慣といった項目を集計し、年代別・性別でクロス集計をかけ、そこから読み取れることをクライアントへの提案資料に落とし込む。ある施設の会員データを扱った案件では、数千件規模のデータから離脱予備軍を抽出したり、年齢別の体力傾向を分析したりしてきました。

提案資料の型も決まっています。「空(現状)・雨(解釈)・傘(具体的な行動)」。現状を示し、そこから何が読み取れるかを解釈し、では何をするかまで書く。この型は変えずに、その中身をどう速く正確に作るかが課題でした。

課題

分析に使っていたのは統計ソフトのRです。

分析の精度に妥協はできない。だからこそ、時間をかけてでも一つひとつ確認しながら進めていました。

Rそのものは分析に必要な機能を備えています。問題は、すべてをコードで明示的に指定しなければならないことでした。グラフの色、形、線の太さ、フォントサイズ、凡例の配置、数字の桁揃え。そのひとつひとつを、コードの中に書き込んでいく。商談の中で当時のコードを開いたとき、こう振り返っています。

全部指示でしたね。自然言語じゃなくて、コーディングだから。

しかも、使っていたコードは数年前に書いたものでした。当時は生成AIがなく、人が手で書き、人が読むためのコメントを添えて管理していた。修正指示が入るたびに、そのコードのどこを直すかを探しにいく必要がありました。

手がかかるのはグラフだけではありません。

  • データの突合 … 2つのシートにまたがるIDを突き合わせる工程。変数名の指定の仕方ひとつでエラーになる
  • 重複と異常値 … 同じIDが重複している、年齢データが明らかにおかしい
  • 紙のアンケート … 回収した紙をデジタル化し、集計可能な形式に整えるまでの工程

そして最後は、出てきた図をスライドに貼り、コメントを自分で書く。

分析したら最後はスライドにする。ちゃんと図版を貼って、コメントを自分で書いて、っていうのが。

汎用のAIチャットで代替できないかも検討されていました。ただし数字を扱う工程では、計算そのものが正しく行われる保証が要ります。

NotebookLM(Gemini Notebook)とかは、ハルシネーションのある計算は苦手だと思う。

繰り返しにはなりますが、分析の精度を落とすわけにはいかないため、どうしても手作業が残り続けていました。

やったこと

Claude Code上に、アンケート分析専用のスキルを構築しました。名前は Survey Analyzer。やったことは大きく4つです。

1. 処理の流れを「憲法」として言語化した

スキルの中に、この分析で必ず通る手順を書き下しました。

  1. CSV/Excelを読み込む
  2. データのクレンジング(重複・異常値の処理)
  3. ラベル付け
  4. 記述統計(最小値・最大値・中央値・平均値・標準偏差)
  5. 特筆すべき項目のグラフ生成
  6. 1ページのHTMLレポートとして出力

まず記述統計で全体像をつかみ、そこから深掘りする項目を決める。この順番自体を、毎回AIに説明し直すのではなく、スキルの側に固定しました。

2. 過去の成果物を「お手本」として読ませた

過去に作ったグラフ画像とスライドをexamplesフォルダに格納し、参照させるようにしました。色づかい、形、線の太さ。これまで積み上げてきた見せ方の作法を、指示ではなく実例で伝える構成です。

3. ディレクトリと命名規則を標準化した

  • 入力データ(ローデータ)と出力(HTML・画像)を明確に分離する
  • 修正指示が入ったら、最新版だけを出力フォルダに残し、旧版は別フォルダへ自動で移す
  • ファイル名は「西暦8桁の日付_グラフ名_顧客名_バージョン」で統一する

分析作業でデータが散乱するのを、仕組みの側で防ぐための整備です。

4. 修正を自然言語で回せるようにした

「この色を変えて」「年代順に並び替えて」「この項目を追加して」。Rのコードを探して書き換えていた工程が、対話に置き換わりました。

なお、この一連の作業──開発環境のセットアップからスキルの構築、実データでの分析まで──は、この日の商談の中で通しで行われています。

そして実際に会員データを読み込ませたところ、想定していなかった副産物がありました。異常値の自動検出です。AIが「121歳」という年齢データと、「1900年1月1日」という生年月日を指摘したのです。人が目で追う必要があった不整合が、分析に入る前の段階で洗い出されたことになります。

また、分析スキルの構築そのものとは別に、Claudeのモデルごとの得意領域の違いや、音声入力を使った指示の出し方といった実務的なノウハウも共有しました。地味ながら、日々の効率に効いてくる部分です。

生成されたHTMLレポートを確認したうえで、次のように判断しています。

単にそれらしい文章が生成されているんじゃなくて、ちゃんと手順を経て数値が算出されている。

数字を扱う仕事で、これは決定的な確認でした。

生まれた時間で、何が変わったか

6時間が10分になるということは、その時間を何に使うかが変わるということです。

これまでは「データはあるが、分析まで手が回らない」という理由で、踏み込めなかった領域がありました。数字を出すことに時間を取られ、その数字が何を意味するのか、クライアントは次に何をすべきなのかを考える時間が圧迫される。本来いちばん価値のある工程が、後回しになっていたわけです。

分析が速くなったこと自体より、その先に何を置けるようになったかのほうが大きい。データを根拠に、企業の健康課題をどう解くかまで踏み込んで伴走できる。働く人が心身のポテンシャルを最大限に発揮できる環境を、一社ずつ増やしていく。そこに時間を使えるようになりました。

これが、初めての成功体験ですね。もう分析に6時間もかけなくていいと考えると、人生が変わったと言っても過言ではないです。Claude Codeを自分でも積極的に使っていこうと思います。 また、分析スキルの構築そのものとは別に、Claudeのモデルごとの得意領域の違いや、音声入力を使った指示の出し方といった実務的なノウハウを共有いただけたことも、地味ながら日々の効率に効いています。 株式会社dendrite 小池 悠也様

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